2019年7月4日木曜日

EF 100-400 L II+エクステンションチューブでマクロ動画撮影をテスト

自分は普段、野生のいきものを撮っているが、その中でも主に撮りたい分野が二つに分かれる。一つは鳥や動物を望遠レンズで撮ること。もう一つは、小さな昆虫やクモや生き物をマクロで撮ることである。

前者は遠くにいるものを画面に大きく撮ることを目指していて、後者は小さいものを画面に大きく撮ることを目指しているので、結局自分は画面の中で対象を大きくして眺めたいのである。

鳥や動物のほうはもう600㎜のレンズ一択で迷いは何もない(800㎜欲しいけど買えない、canonは出してない)。
が、マクロのほうは、うーむ、難しい。レンズ選択に迷いまくりである。
なんか自分の中で決定的な一本がないので新しいものが出ると手が届く値段であれば買う、という感じなので、結局マクロレンズが6,7本防湿庫に眠っている。

なぜ眠っているのかというと、どうもどれも鳥や動物を撮る望遠レンズと共存しないのである。でも撮りたいので出かけるときはたいてい一つはマクロレンズを持っていくが、結局マクロ撮影はせずに帰ってくることがほとんどである。

どちらも単にカメラで撮影するだけなんだから両方やれば良いじゃないかと思うのだけど、そうは簡単ではない。望遠とマクロでは、何かこう心構えが全く違うのである。いったん一方のマインドセットになると、なかなか別のほうには切り替えられないのである。そしてまずはどっちを優先かというと望遠のほう優先なので、たいていは望遠のほうでいっぱいいっぱいになって帰宅の途に就くということになるのである。

マクロレンズはその性質上、近~くを見る。そしてマクロレンズで大きく映すには最短撮影距離まで近づかないといけないわけで、ワーキングディスタンスは、100㎜マクロだとレンズ前10㎝という感じである。となるとその距離にカメラを持っていくためには、単にレンズを替えるだけでは十分ではない。三脚、雲台、、、システム全体を全部組みなおさないと無理である。共通しているのはカメラだけ、、なので、望遠からマクロに切り替えるには、セッティングだけで結局小一時間かかるのである。

マインドセットの切り替えが大変なだけでなく、システムの切り替えも大変なので、結局マクロ撮影しないで帰ってくる、ということになるのである。

そこで、せめてシステムの切り替えの手間を減らせれば、もっとマクロ撮影をする元気がでるのではないかと、今回の実験となったわけである。

システム全体を大きく繰り替えなければいけない第一の理由は、ワーキングディスタンスの短さ、である。これがあるのでいつもの三脚は使えない、フォーカスリングでフォーカシングするのは現実的ではないからスライドレール的なものが欲しい、レンズの影が被るから照明は欠かせない、、、となるのである。
もしワーキングディスタンスが長く取れれば、これらは全部解消される。
ワーキングディスタンスを長くとるためにはレンズの焦点距離が長ければいいわけで、そういう理由で、以前、185㎜マクロを購入したのである。メインのマクロレンズとしているEF100Lマクロに比べてだいぶワーキングディスタンスが撮れるし、結構よかったのだけど、でもまだ短い。さらにスタビライザーがついていないのでちょっと撮れる条件が限られる、という感じで、結局防湿庫に眠ることになったのである。

ここで別の話になるが、最近、メインで使うカメラをBMPCC 4Kにした。このカメラはセンサーサイズがマイクロフォーサーズなので、クロップファクターの関係で、フルサイズ換算だと2倍に大きくうつることになる。
そこで今回、ふと、EF 100-400 L IIは結構寄れるレンズだけども、BMPCC 4Kと組み合わせるとどのくらいの大きさに写せるもんだろうかと思い、実際に撮影してみることにしたわけである。さらに、エクステンションチューブをつけて倍率を稼ぐとどう写るのかと思いたち、さっそくテスト撮影してみることにしたのである。

まずスペック的に、EF 100-400 L IIはフルサイズ機で最短撮影距離で撮影すると、0.31倍である。その時の最短撮影距離は0.98mである。400㎜までレンズを伸ばしたとして、レンズ面から対象までの距離のワーキングディスタンスは70㎝といったところだろうか。

私がマクロで撮りたい対象、いちばんはハエトリグモである。そのほか蝶や甲虫やハチ、実はそんなに小さいものでもない。なので、必ずしも1:1マクロが必要でもないのである。BMPCC4K にEF 100-400 L IIをつけて撮った場合、4Kなら35㎜フォーマット換算で0.62倍、センサークロップしてFHDで撮った場合、1.24倍である。1.24倍はだいたいそれで足りるなあという十分な倍率である。

実際に虫とかを取ってみたものがこれ。

Bugs of Forest Roadside 林道わきの虫たち EF100-400 LIIでマクロテスト 信越の高原 6月下旬 いきもの4K ...

梅雨の合間なので天候はあまりマクロ向きとも言えない。
倍率的にはちょっと物足りなさはあるけど、まあ許容範囲。ワーキングディスタンスは十分あるので、望遠レンズシステムセットと同じ三脚、雲台でも特に問題なく撮れる。逆にむしろワーキングディスタンスがありすぎて困る点もあるくらい。
画質は、、やはりEF100Lマクロの絵にはだいぶ劣るかなあ。EF100Lマクロで撮ると普通にレンズを向けるだけで、本当に何でもないものがびっくりするくらい美しく写る(ような気がする)ので撮影しながらときめきがあるが、 EF 100-400 L IIだとそこまでのときめきはない。
写りでEF100Lを選ぶか、お手軽さ優先でEF 100-400 L IIを選ぶか、という感じだ。総合力ではEF 100-400 L IIのほうがどっちかというと上かもしれない。
ということで、BMPCC4K との組み合わせでEF 100-400 L IIが自分にとってのマクロレンズ(的使用)第一位に躍り出た。

さらに、もうちょっと倍率を稼ぎたいのと、ついでにもう少しワーキングディスタンスが短くていい(短いほうがいい)ということでエクステンションチューブを間に挟んでみた。
使用したのは中華の安いもの。安いので2セット買った。一応電気接点付き。
いくつかの組み合わせを試して、62㎜くらいがよさそうかなと、エクステンションチューブを連結して62㎜にして実際に撮ってみたのがこれ。

河原の草むらの虫たち Bugs in the grass EF100 400LII+extention tube62mmでマクロテスト 信越の平...

最短撮影距離まで近づいて撮れる機会がちょっと少なかったけれども。

エクステンションチューブを使うと、最短撮影距離が短くなる代わりに、無限遠は出せなくなって、最長撮影距離はこの場合は3mというところだった。3m以上のものは写せなくなるが、そもそも小さいものを撮ろうというマクロ撮影なのでこのくらいの距離で問題ない(最長撮影距離も短すぎると撮りにくくなるのでこのくらいの距離は許容範囲)。

最短撮影距離はレンズ前50㎝といったところでちょうど扱いやすい。照明を当てようと思えば日中でも十分届くし、虫も逃げない距離が稼げる。倍率は計算上はフルサイズだと0.42倍、BMPCC 4Kとの組み合わせで4Kで撮ると換算0.84倍、さらにセンサークロップしてFHDで撮ると1.68倍となる。
ハエトリグモの大きさを見て、少しまだ倍率が足りない。。けどまあ許容範囲かな。

扱いやすさに関しては、うむ、扱いやすい。三脚、雲台、そのままで問題ない。ただBMPCC 4Kの画面はティルトでもバリアブルでもなく固定なので、マクロ撮影で画面をみるのは無理がある。外部モニターが必須である。でも、スライダーを用意したりいろいろするのに比べると、システムの移行はずっと楽である。通常マクロ撮影するときは最短撮影距離にフォーカスリングを固定してカメラのほうを前後してフォーカスを合わせるが、このシステムだとフォーカスリングを回して合わせることになる。ちょこちょこ予定にない動きで動き回る対象を撮るには、やっぱりこっちのほうがずっと楽である。

ということで、自分的にはEF 100-400 L II+エクステンションチューブがマクロ撮影のレンズ選択第一候補に躍り出た。

あとは実際に出かけたときに撮る気になるかどうか。。
がんばろう。

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